420 執念の取材

自ら、時間もお金もかけて現場に行き、事の真相をつかむ、把握するのが「取材」だ。
美味い料理と同じで、食材を見抜く目、手間暇かけた仕込みが必要だ。

自分が発する質問内容が大事。
政治なら、人と金のつながりを看破する力。
料理なら、自分の食歴が問われる。
原材料のよさを知るには、農林水産業の現状も知る必要がある。

自分の五感が頼り、何より重要。
センス、経験どちらも要求される。

自分で事前に徹底して調べ上げ、現場で事実を何度も確認して、記事を書く。
分からないことがあれば、遠慮なく、追加の電話取材を行う。
よい取材文章を制作するためには不可欠。

そこの部分は現役の新聞記者も、退職記者も、雑誌編集者も、フリーのライターも、SNSが好きな市民記者もまったく同じ。

知ったかぶりはダメ。
他人に聞くのもダメ。
他者発の情報を信じてはダメ。
印刷物の無断引用は当然悪。

現場に行かないと、書けない。
現場に行かないと、写真を撮れない。
現場に行かないと、その方の努力をつかむことができない。

複数の情報源からネタを集め、精度を高める。現場に何度も通い、人間関係ができると、とっておきの話を入手可能。

だから、絶対に、
「教えてください」はいけない。

取材放棄。
自ら知る権利を捨て去る。
自分で動かないと。

薄っぺらい思い…。
楽してネタを得ようとする。
そしてそれを拡散。

よい取材ではない。

よい取材を実現するには、
何度も現場に足を運ぶ執念がいる。


■取材に執念を燃やす。徹底した現場取材がよい文、よい写真を生み出す=山口県周南市栄町、喫茶店たまゆら