692 事業承継(お好み焼き店編)

昨日9月24日夜、山口県周南市の有名店「お好み焼き やすきゅう」に久しぶり顔を出した。取材したお店を再び訪ねるのは20代前半、新聞記者時代からのルーティンなのです。

この名店は店主さんとのやりとりを楽しみにしているお客様が多い。

この日。私がお客様を呼んできたわけではないが、大忙し。父と跡を継ぐ長男、ベテラン配達係さんの3人態勢で大わらわ。そんな中、インタビューを敢行した。

「ようやくですよ。客足が戻ってきたのは」とお父さん。コロナ禍の2年間、食べに来られるお客様が激減したと振り返る。

「徳山」という街のまちなかにある「やすきゅう」は最近、農村部に定期出店している。まずはその話から。

「地域のお客様と触れ合い、いろんな気づきを得ています」
「まずは1年継続しなくては」
息子も父も初めてチャレンジプロジェクトに確かな手応えを感じている様子。

私もまずは食べる。


■カキの鉄板焼き。「これが美味い」。山口県は広島県の隣県だけに、各飲食店とも、カキをいろんな食べ方で美味しく提供してくれます
■やすきゅう焼き。中の具材は秘密です。自ら現場でご確認ください
父子お2人に共通するのは「(コロナ禍)今やらねば!」という強い気持ちだ。

味の継承は難しいといわれるが、それよりもなによりも、2人は動いている。

お店のSNS広報や決済方法にしても、果敢に新施策に取り組む。

もともと、近隣地区の配達に取り組んだり、出張者が泊まるビジネスホテルに配達メニューを配るなど、創意工夫が光る。

長男さんがいう。
「事業承継はいいことばかりではない。家族ゆえに大変なこともある。そういったきついことを含め、同業の皆様に伝えていければ」

事業承継というテーマでコンサルタントにも進出する予定のようだ。

鉄板で食材に向かいながら、2人は常にコミュニケーションを取っている。調理の段取りやお客様情報を常に確認し合う。

「オヤジと長男がこんなにも息が合うものか。私は無理」

2人は笑顔とウイットを忘れない。

久々の訪店だったが、グッと進化している。

そう強く感じた。

晴れやかな気分で九州に戻った。
■息子さんが作ったお好み焼き。キャベツもエビも、フワフワの食感がたまらない