「広報担当は必要ない」
そう話す中小企業のオーナー社長を過去何度か取材したことがある。
私は「なぜ?」と内心思いながら、発言の真意を探る。
その意図を読み解くと、
①自社の製品力・商品力、ブランド力がある
②社長の私が全権限を握り、マスコミの質問には私がすべて答える
③広報は大事だが、専門部署・人材まではいらない。総務課で対応可能
それぞれの「理」は理解できるし、昭和や平成の時代は十分にやってこれたのだろう。
経営トップの姿勢に部下も意を唱えなかったのかもしれない。
そして、今の世。
少子化で若者がさらに減り、体力が要求される現場作業にも高齢者の姿が目立つ。サービスや技術系に関係なく、ほぼどの業種でも世代交代が課題になっている。
中小企業の取材に行くと、「我が社に若い人たちが入ってきてくれない」と、多くの経営者が苦しい胸のうちを明かす。
今の学生はインターンを好む。興味ある企業や役所のホームページはしっかりと読み込んでいる。事前に徹底して調べ上げる。
日頃、「新聞やテレビは見ない」と言いつつも、興味ある企業の「メディア掲載」は相当に気になる様子だ。
マスメディアに取り上げられると、社名や商品、サービスを知ってもらうきっかけになる。
メディアに取り上げられると、その組織で働く人々はもちろん、そのご家族や学校の恩師も大いに喜んでくれる。
よく聞く社名になれば、就職する際、親御さんの理解も得やすい。
よい人材を我が組織に呼び込みたいとき、「広報」は最も大事な武器になる。
よい人材はよい後輩(中途採用やUターンを含め)を呼び込んでくれる可能性が非常に高い。
広報は内にも外にも大切だ。
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