742 人の文章はいじれない

2020年4月〜2022年4月にかけ、世に出した豆本通算5冊で、デスク業務を受け持つ私は、述べ50人に上る高校生や大学生、社会人が書いた取材文章を見てきました。

そこで、あらためて思うことがある。

みんなからLINEやメッセンジャーで来る文には、その人の性格や生きざまがもろに出る。しみ出るどころではなく、ドバッと浮き出る。おもしろいほど。

長男系の人はやはり、堅い文体。
二男、三男は総じてやわらかく、また原稿の出稿が早い。ささっと書く。

クセと言えばクセだが、それが個性なのだろう。

なので、各人の取材文章は原則変えることができません。
少し変えると、もうそれは私の原稿になってします。

だから、文は変えない。最小限の手直しにとどめる。

人様の人生について、他者の私が何もしてあげれないのとまったく同じ。

ただ一つ言えるのは、豆本は食べ歩き促進による地域経済活性化が目的なので、そこに載せる取材記事は常に分かりやすく、読みやすくないといけない。

豆本の編集方針でもある。

150文字に思いを込める。

豆本のページを開いて、思わず、行きたくなる誌面を作るために。

2023年3月発刊の「北九州若松グルメ豆本」では、福岡県立若松商業高校の3年19人が飲食店紹介の記事を書く。

まだ誰の原稿も見ていない。

楽しみすぎます。
■山口県カレー豆本より。息子の記事が載っている記憶に残るページ