646 喫茶ポパイ(中)

「喫茶 ポパイ」(山口県周南市)は昨年、開店75周年を迎えた。
父母を継いだ店主さんは私の実母と同い年。「閉店」の報に接し、「ここまでお疲れ様でした。本当にありがとうございました」という気持ちがこみ上げてきた。

誌面に載せたのは「ナポリタン」。「生卵入りカレーライス」もあったが、昭和世代が大好きな喫茶店代表食のナポリタンを取り上げた。「私自身、生卵が苦手でして」。記事は当時高校生3年生の酢だこさん、写真は末田明子さんだった。

私は周南市に2年半にわたり単身赴任したが、ポパイには取材を含め、10回ほど通った。豆本の高校生記者2人をご案内したこともある。そのうちの1人が「前から入りたかったのですが、店の中が外からまったく見えなくて少し怖くて」と話してくれた。思わず笑ってしまった。

私が頼むのは決まって「インディアンカレー」。創刊号の裏表紙の真ん中にもその写真を載せた。
■ポパイのインディアンカレー