4月発刊予定の「山口県パン豆本」では、街のパン屋さんだけでなく、喫茶店やレストランが提供する、美味いパン料理も取り上げたいと考えています。
どうしても、美味いサンドイッチを取り上げたい。キュウリは苦手ですが、子どものころから大好きなんです。
1月13日、「ほっこりCAFE」でのランチ後に、山口県周南市・徳山商工会議所近くの老舗喫茶店「たまゆら」に足を運びました。美味いサンドイッチが有名です。
経営者の佐鹿久美さん(さしか・ひさよ)と初めてお話をできました。
「たまゆら」には最初、地元の女性経営者に紹介され、それを合わせて計3回、私が訪店していることをスタッフさんが覚えてくれていました。いや、驚きました。
〝ミスタープロ野球〟として今も国民的スターの長嶋茂雄さんが「たまゆら」を訪れたことは聞いていました。
来店のきっかけは山口県在住の立教大学野球部出身の故吉元清登さん。吉元さんは徳山高校から立教大学に進み、野球部時代、長嶋さんの一級先輩。マネージャーも務めていた吉元さんに、長嶋さんはお世話になったことから非常に親しい愛柄だったといいます。
「たまゆら」56年の歴史や創業者が編み物の先生だったこと、もともと貸し事務所にする予定だったこと、コーヒーへのこだわり、自動ドアをいち早く導入したこと、元プロ野球選手が多く訪れていること、周南市出身の著名人がよく来ることなど、初めて聞くことばかり。
私自身、野球をやっていただけに、生涯記憶に残る取材になりました。
「長嶋さんはああ見えて、ものすごく緻密な方、気遣いの方なんです。噂を聞きつけ、『たまゆら』に駆けつけた市民とも気さくに記念写真に応じてくれました」と佐鹿さん。
「たまゆら」には逸話が残る。炎のストッパーとして今も語り継がれる故津田恒実さん(当時の山口県都濃郡南陽町出身・現周南市)も広島カープへの入団が決まり、スカウトとともに訪れた。
「『ずっと狙っていた。ようやく津田君をとることができた!』と声を弾ませるスカウトの姿をよく覚えている」(佐鹿さん)。
取材者冥利に尽きる。
街の名店に歴史あり。
■〝ミスタープロ野球〟長嶋茂雄さんのサインボール。プロ野球の公式戦で使う本物の硬式ボールにサインしてくれた
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